香典返し

香典返しを贈る時期は?

香典返し

香典返しは、亡くなった故人の冥福を祈り、遺族が喪に服す期間の終わりである「忌明け」の法要後に贈るのが一般的です。そのため香典返しに添えるご挨拶状・お礼状にも法要が無事に終えたことをお伝えします。
法要後一か月以内が目安となりますが、法要後すぐに贈られる方が多いようです。但し、忌明けの日にちは宗教により異なりますので、忌明け前に贈ることのないよう注意が必要となります。

香典返しの時期

忌明けの時期

<仏式>

仏式では、故人が亡くなられた日から49日目の「七七日忌」で忌明けとなり、法要が執り行われます。四十九日の法要後に香典返しをします。
但し、亡くなるタイミングによっては四十九日法要まで3カ月にわたる場合があり、これを「三月またぎ(みつきまたぎ)」といい、「みつき=身に付く=49が身に付く=始終、苦が付く」から縁起が悪いとも言われ、四十九日法要を35日目に繰り上げる場合があり、この場合は35日目以降に香典返しをします。

<神式>

神式では、霊祭が仏教でいう法要にあたります。
葬儀の翌日に翌日祭、亡くなった日から10日ごとに十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭と続き、五十日祭が忌明けにあたります。

<キリスト教式>

キリスト教には「忌明け」や「香典返し」という習慣はありませんが、葬儀でいただいた弔慰金・お花料・御花料・ご霊前・御ミサ料の返礼品を用意するのが通例となっており、時期はプロテスタントでは1ヶ月後の召天記念日の後、カトリックでは三十日目の追悼ミサが忌明けにあたります。

<天理教式>

天理教は仏教とは異なる新しい神道とされており、葬儀は神式に近いものがあります。
神式同様に、五十日祭が忌明けにあたります。

当日返し(即返し)

最近ではお通夜や葬儀の当日に、すぐその場で会葬御礼とともに、香典のお返しものをお渡しすることも多く、忌明け法要後の香典返しを「後返し」と呼ぶのに対して、当日返し(即返し、即日返し)といいます。
当日返しは北海道・東北地方を中心に関東・中部地域で多くなっています。一方、関西では、従来からの後返しが中心のようです。
香典が高額で用意した香典返しの返礼品が十分でない場合は、忌明け後に改めて香典返しの返礼品を贈ることが一般的です。

後返し

忌明け法要後に香典返しを行う。関西以西は後返しが一般的

当日返し

通夜・葬儀の当日に会葬御礼と合わせて香典返しをする。北海道から中部は当日返しが主流

北海道の香典返し

北海道の葬儀文化は独特で、受付で香典を渡すと中身の確認がされて、領収書を発行してくれます。香典返しは前段でご紹介した当日返しで、返礼品は1,000円程度の海苔やお茶、コーヒーなどが一般的で、葬儀の会葬礼状はがきと一緒にお渡しします。
一般的な当日返しは香典が多い場合に後返しをしますが、北海道の当日返しの場合は、香典が多い時でも、後返しはせず、これは北海道民の「お互い様精神」から来ている風習と言われています。

香典返しの相場は半返し

香典返し

香典返しは、時間を割いて参列しお供えいただいたご厚志に対して、お悔やみいただいた方々に感謝の気持ちを伝える習わしです。
香典返しの金額の目安は地域によって、また後返し・当日返しなどの贈り方の違いによっても異なります。ここでは、香典返しの相場について、詳しくご紹介します。

香典返しの金額は、いただいたご厚志(お香典・玉ぐし料・お花料・お供え)の半分程度を返すのが一般的といわれています。(半返し)
香典としていただいた金額から葬儀で使った費用を引いたとき、半分程度が残ったため、その半分はお世話になった方にお返ししたり、菩提寺に寄進したりしたことから半返しになったといわれています。

地域性の違い

以前は、関東では半返し、関西では3分の1返しが一般的とされてきましたが、昨今、全国から葬儀・告別式に参列者が訪れ、単純に東西と分けて金額を決めることが難しくなってきましたため、基本は「半返し」と考えておけばよいでしょう。
ただ家族葬・直葬など葬儀の形態が近年変化しています。香典返しの金額についても、よく分からない場合は、家族・親戚に相談し、確認しておくのが無難です。

 

お供えものへの香典返し

香典以外の御玉串料・お花料・お供えなどでご厚志をいただいた場合についても、考え方は同様で、想定される金額の半返しが基本となります。

当日返しは2,000~3,000円が目安

葬儀の当日にお返しをする「当日返し」の場合は、香典や供物の金額に関係なく、一律の品物をご用意します。香典の金額が5,000円や1万円が相場とされていますので、当日返しの香典返しは2,000円~3,000円程度の品物を選ぶことが多いようです。
しかし、香典でいただいた金額が多く、当日返しした香典返しでは不足する場合、忌明け法要後に改めて品物を発送します。例えば1万円の香典をいただいた場合には、不足分の5,000円の半分の金額である2,500円程度の品物をお送りします。

相場と異なる場合

一家の大黒柱が亡くなった場合

一家の働き手が亡くなり、子どもが未成年だったりした場合は、「これからの生活に役立ててください」という配慮から、香典返しの金額も3分の1もしくは、香典返しをしないこともあります。
ただ、香典返しをしない場合でも、無事に忌明けの法要が執り行われたこと、感謝の気持ちをお伝えするため、ご挨拶状・お礼状をお送りするのが一般的です。

高額の香典をいただいた場合

親族や身内から5万円や10万円くらいの高額の香典をいただくことがあります。高額の香典については「葬儀の足しに」・「今後の生活のために」とう意味が合いが込められていますので、必ずしも半返しにこだわる必要はありません。忌明けの法要後に3分の1から4分の1程度の品物をお送りするのが良いでしょう。

香典返しをしない場合

次のような場合には、香典返しをしなくても失礼にあたりません。 ただし、忌明け法要後に法要が執り行われたこと、お礼をお伝えするためにご挨拶状・お礼状はお送りします。

  1. 弔電のみを頂いた場合や、お悔やみの手紙のみをいただいた場合。
  2. 故人の意志や遺族の意志により、香典返しをする代わりに寄付をした場合。この場合は、会葬礼状に寄付したことをお伝えします。
  3. 香典返しを辞退された場合。この場合もご挨拶状・お礼状は送付します。